挫折から世界へ羽ばたいた経営者の歩み

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私がドローン業界について興味を持ったのは、ワクセルの青島テックイベントプロジェクトの記事を見たのがきっかけです。
いちエンジニアとして情報は知っていたものの、きちんと勉強したことありません。
そこで読んだのが『常識を逸脱せよ。 日本発「グローバルメガベンチャー」へ テラドローン・徳重徹の流儀』です。
テラモーターズ株式会社代表取締役社長の徳重徹さんは、決して順風満帆な人生を歩んできたわけではありません。
若いころには挫折を繰り返し、そのたびに自分と向き合いながら道を模索してきました。
その中で選んだのが、アメリカへの留学。
MBAを取得し、世界の一流と同じ土俵で学んだ経験が、彼の視野を大きく広げる転機となります。
そして2010年、ついに「テラモーターズ」を起ち上げ、日本発のグローバルメガベンチャーを目指す挑戦を始めました。
徳重さんの原動力はただの野心ではありません。アップルやサムスンを超えるような企業を日本から生み出すという思い、そして「チャレンジする人の視野を広げたい」というビジョンに支えられています。
この本が教えてくれるものは「知識」ではない

徳重さんの著書は、技術や市場分析の知識を学ぶためのビジネス書ではありません。
むしろ、読者に伝わってくるのは「志を持つこと」「覚悟を決めること」「執念を貫くこと」の大切さです。
ドローンという新しい産業に挑む彼の姿勢から、私たちは「未来を信じ切る力」がどれほど大きな推進力になるのかを感じ取ることができます。
今回は『常識を逸脱せよ。 日本発「グローバルメガベンチャー」へ テラドローン・徳重徹の流儀』から徳重徹さんの仕事の流儀をご紹介します。
世界基準でしか生き残れない
徳重さんが徹底しているのは、「国内基準ではなく世界基準で考える」という前提です。
日本国内では、ドローン産業は規制や小規模事業者の活動が目立ちますが、世界に目を向ければ物流・点検・測量などで急速に活用が広がっています。
事業の持続性を考えれば、国内の小さなニーズに合わせるよりも、グローバルで何が変わろうとしているのかを見極めることが不可欠。
徳重さんはその判断基準を揺るがせず、常に「世界基準」に軸を置いてきました。
現場を徹底して観察する
もう一つの特徴は「現場観察」です。机上での分析よりも、実際の市場や展示会、顧客の声を現場で感じ取ることを重視しました。
ドローンビジネスに挑んだときも、海外の展示会を巡り、自分の目で未来を確かめることを欠かさなかったそうです。
数字や資料だけでは見えてこない熱気や勢いを感じ取ることで、本当の変化点をつかみ取ることができます。
観察を執念に変える
最後に大切なのは「執念」です。観察を通して得た確信を「これは間違いなく未来になる」と信じ切る。
その強い確信が執念となり、挑戦をやり抜くエネルギーになります。
執念とは単なる根性論ではなく、未来を見通す確かな手ごたえから生まれるもの。徳重さんの言葉からは、「やり抜く覚悟」を支える理屈と情熱の両方を感じることができます。
未来を信じる力が道を切り拓く

この本で学べることは、成功の裏にある徳重徹さんの哲学です。
世界基準で挑む姿勢、現場で感じ取る観察眼、そして未来を信じ抜く執念。
これらはドローンビジネスだけでなく、どんな仕事やキャリアにも通じる普遍的な要素ではないでしょうか。
たとえば、日々の業務でも「国内の常識」にとらわれるのではなく、「世界ならどう動いているだろう」と視点を変えるだけで新しい発見があります。
また、机上の空論にとどまらず、現場を見に行く行動力を持つことで判断の質も高まります。
そして何より、自分が見極めた未来を信じ切り、執念を持って取り組むこと。これこそが成果を生み出す最大の原動力になるのだと思います。
徳重さんの挑戦から学べるのは、「未来を描く勇気」と「信じ抜く力」。
その姿勢を自分の仕事や人生にどう取り入れるか――それが、次の一歩を踏み出すヒントになるはずです。