
(藤田 晋 著 『勝負眼 「押し引き」を見極める思考と技術 』)
サイバーエージェント代表取締役の 藤田晋氏 は、26歳という若さで東証マザーズ上場を果たした経営者です。
このブログでもたびたび取り上げている、ワクセル主宰の 嶋村吉洋氏 が、サイバーエージェントの大株主であることをご存じの方もいるかもしれません。
サイバーエージェント の経営を一言で表すなら、「若さと挑戦を仕組みにした会社」だと感じます。
藤田氏は、完璧な計画よりもスピードと実行を重視し、若手に積極的に裁量を与えてきました。失敗を咎めず、次の成長の糧に変える文化。変化の激しいIT業界で生き残ってきた理由は、事業そのものよりも、人と組織を育て続ける姿勢にあるのでしょう。
経営の才覚だけでなく、麻雀では一時プロを目指すほどの実力があったとも言われています。
そんな藤田氏の哲学を学べる一冊が、『勝負眼 「押し引き」を見極める思考と技術 』です。
勝負どころで、攻めるべきか、引くべきか

この本は、「勝負どころで攻めるのか、引くのか」をどう判断するか、その思考の型と技術を言語化した一冊です。
スポーツやギャンブルの話にとどまらず、仕事、交渉、人生の意思決定まで幅広く応用できます。
多くの人は、勝負強さを「大胆さ」や「根性」だと思いがちです。
しかし本書が繰り返し伝えているのは、勝負眼とは感情ではなく、構造を読む力だということ。
たとえば、
・今は期待値が高いのか
・自分は優位なのか、不利なのか
・この勝負は続ける価値があるのか
こうした問いを立てられるかどうかが、分かれ道になります。
押すべき局面の条件
本書では、押すべき場面には共通点があると述べられています。
・流れが自分に来ている
・情報量が相手より多い
・失敗しても致命傷にならない
逆に言えば、根拠のない自信や、過去の成功体験だけで押すのは最悪の選択です。
引くことは「負け」ではない
印象的なのは、「引く判断」を非常に高く評価している点です。
・期待値が下がったら撤退する
・不利だと分かった瞬間に手を引く
・感情が入り始めたら距離を取る
引くことは敗北ではなく、次の勝負に備えるための戦略だと教えてくれます。
勝負に強い人は「自分を俯瞰している」
勝負眼を持つ人は、相手よりもまず自分を観察しています。
・今、感情で判断していないか
・取り返そうとしていないか
・冷静さを失っていないか
自分を俯瞰できない人は、正しい押し引きができません。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
藤田晋氏の才能とは、経営に限らず、あらゆる場面で発揮される勝負強さにあるのではないでしょうか。
麻雀の腕前、馬主としての活動、スポーツへの関わり。
幅広い分野での活躍は、藤田氏の「勝負師の眼」に支えられているように感じます。
人生は、押すか引くかの連続です。
・無理にチャンスを取りにいかない
・勝てる局面まで待つ
・引くことで次の勝負に備える
『勝負眼 「押し引き」を見極める思考と技術』 から、生き残り続けるための哲学を学んでみてはいかがでしょうか。