あなたの会社、成果は出てますか?鍵は営業時間にあり!『社営業部の「病気」治します』

あなたの会社、成果は出てますか?鍵は営業時間にあり!『社営業部の「病気」治します』
藤本篤志
営業
病気
成果
日経プレミアシリーズ
ワクセル
嶋村吉洋
評判
コンサル
藤本篤志 著『御社営業部の「病気」治します』(日経プレミアシリーズ)

こんにちは。
どんな会社にもいて、売上をとる大きな役割を担う営業。
会社の外に出て、顧客との結びつきをつくるのが営業の役目です。

社会人になりたての頃、営業部の部長から会社についてや社会人のなんたるかを教えていただいたことをよく覚えています。

ところで、あなたの会社の営業部が出している成果は適切なものでしょうか?
『社営業部の「病気」治します』の著者、藤本篤志さんはコンサル業を通して様々な企業と関わり、知らず知らずのうちに本来のポテンシャルを発揮できなくなっている営業を多く見てきたと言います。

藤本篤志さんはこれを”虚弱体質”にかかっていることに例えます。
人間も虚弱体質になると病気になりやすくなり、やがて大きく健康を損ねます。

同じように会社の営業部の力が弱ると、じわじわと会社全体の健康が崩れていくのです。
では、虚弱体質になった営業部はどのように復活するのでしょうか。

藤本篤志さんはコンサル業から数々の組織を再建させてきました。
『御社営業部の「病気」治します』から営業の力を取り戻す秘訣を学んでみましょう。

ポイントは「営業時間」

藤本篤志
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病気
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健康を損ない、虚弱体質になった営業が本来の力を発揮でき瑠葉になるにはどうしたら良いでしょうか。
その指針として、藤本篤志さんは営業時間を挙げています。

藤本篤志さんは営業が適切な力を発揮するには1日240分の営業時間が必要だと言います。
藤本篤志さんによると、大半の営業はその半分120分程度の営業しか行っていないとのことです。

一体何が原因で営業時間が少ないのか、そしてどのように改善すればよいのか。
『御社営業部の「病気」治します』の内容を少しだけご紹介します。

営業はなにをしているのか

1日の営業マンの稼働時間は10時間、約600分と言われています。
先に書いたとおり、会社が適切な状態を保つには営業は日に240分、つまりは4時間の営業が必要ですが、実態はその半分である1日120分程度の営業時間にとどまっています。

では営業は残りの時間、何をしているのでしょうか。
『御社営業部の「病気」治します』によると、移動時間として120分、そして残りの実に半分、300分が内勤に使われます。

もちろん内勤時間が多いからといって、業務を行っている以上は営業が仕事をしていないことを意味しません。
しかし、多くの営業は圧倒的に必要な営業時間をこなしていないことが実情なのです。

ここで示した数値に反論する人も多くいるでしょう。
ところが、例えば外回りの営業に120分、移動に120分、さらにランチなどの休憩時間を加えると営業は1日に5時間近くを外で営業しているように「見えて」しまいます。

これが本来の営業を行っている時間数の把握を狂わせる要因の一つになっています。
外に出ている時間ではなく、実際に営業を行っている時間こそが大切です。

なぜ、営業していると「錯覚」するのか

なぜ、多くの営業は適切な営業時間を消化できていないのでしょうか。
そてにはいくつかの「錯覚」が関係しています。

まず、ひとは特に印象に残ったこと、直前に見聞きして印象に残ったことがある事象の平均であるように考える性質があります。
人が普段とは違う行いをとったとき、その人に対しての評価として形成されます。
端的に言ううと、普段は怖いヤンキーが雨の日の捨て犬に傘をさしてその人への印象が 塗り替えられるあれです。

例えば、普段の稼働時間があまり多くない営業がいたとしましょう。
しかし人事評価や繁忙期に、突然ひとが変わったように動く営業をみると
「うちの営業はあれだけ動いている。それだけ忙しく動き回っているんだ。」
という人事評価が形成されます。
この錯覚が営業の稼働時間が少ないことを見抜けない落とし穴になるのです。

ふたつめに、ひとは自身の数値の平均を多く見積もって知らせる性質があることです。

例えばみなさんも学生時代
「昨日はどれだけ勉強したの?」
という問いに対して、40分程度の勉強時間に対してついつい
「1時間くらい?」
とつい見栄を張って答えたりした記憶はないでしょうか。

例に示す通り、営業は自分自身の営業時間が不足していることについては気づきにくくなり、また自己申告により状況を把握している上司も本当の稼働時間を錯覚するという事態を招くことになるのです。

蓄積された「時間」の重要性

では、なぜここまで営業の稼働時間が重要なのでしょう。
量よりも質を求めるのも営業として正解なのでないか、と思う方もいるかもしれません。

しかし、藤本篤志さんは「重要なのは質ではなく数」と言い切っています。
これは決して「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」という投げやりな姿勢をいみするものではありません。

多くの稼働時間を積めば、それだけ多くの顧客、営業機会をえることができ、それにより個人のスキルも自ずと上昇します。

もうひとつ、量をこなす理由は「累積時間」の重要性です。
ひとがあるものごについて技術が成熟するには一定以上の時間の積み上げが必要となります。

スポーツなどでは人一倍の練習量により、抜きん出た実力が見につことを想像できるでしょう。
営業も同じように一流の技能を身につけるに積み重ねた時間が必要です。

時間の積み重ねが必要という概念は、あらゆる分野に見られます。
例えば飛行機の機長。
パイロットという特殊な環境下で大勢の人の命を預かる仕事には、経験に重きをおいた教育がなされます。

パイロットにとって憧れの立場である正機長。
この正機長になるための試験には、1500時間以上のフライトをこなすことが義務付られています。

営業にとっても営業時間の積み重ねは技術の習熟には欠かせない要因です。
『御社営業部の「病気」治します』では、このことを「営業フライト時間」と表しています。

皆さんの会社において、「営業フライト時間」はどれだけ積み上がっているでしょうか。
また、ご自身が営業ならどれだけの時間を積み重ねてきたか、考えたことはあるでしょうか。

まずは経験を数から積み重ねること。
健康な組織づくりには欠かせない要因です。

量が質を生む、まずは時間を積み重ねる

藤本篤志
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いかがでしたでしたでしょうか。
個人のセンス、能力、商材の特徴、または周囲の環境によらず、会社にとって業績回復に考えるべきはいかに営業力を磨くには営業時間にあることがわかったと思います。

本当に窮地に陥ったとき、なにより大切になるのは経験。
このことは『御社営業部の「病気」治します』では2009年に起きたUSAエアウェイズ1549便の事故になぞらえて説明されています。

事故当時、USAエアウェイズ1549便は稀にみるエンジントラブルに見舞われながらも、機長のチェレイズ・サレンバーガー機長は機体をハドソン川に不時着させ事故を回避しました。

それだけでなく、当時のハドソン川は氷点下6度という環境でありながら、機長の細やかな対応によりすぐに毛布が配られ、1人の犠牲者もださずにこの難局を切り抜けることに成功します。

チェレイズ・サレンバーガー機長はフライト歴30年の大ベテランで、奇跡の立役者であるにもかかわらず周囲の称賛も淡々と受けていたと言います。

機長はこの奇跡の裏にあったのは、卓越したテクニック、センスではなくただこれまで積み重ねてきた訓練と経験だとのちに語っています。
「ハドソン川の奇跡」という映画にもなっているのでぜひ見てください。
経験により作られるプロフェッショナルとは何たるかが学べるでしょう。

いま、自身の会社の業績が伸び悩んでいる、または個人の力や成果が頭打ちに感じている。
そんなときはどれだけの時間を業務に使っているかに立ち返ってみましょう。
ブレイクスルーの鍵は、経験の積み上げの先にあるかもしれません。

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