感謝を形にする「富士そば」の経営理念『「富士そば」は、なぜアルバイトにもボーナスを出すのか』

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(丹 道夫 著『「富士そば」は、なぜアルバイトにもボーナスを出すのか』)

ワクセルには、経営者、プロアスリートなど、さまざまな分野のコラボレーターが登録しています。
コラボレーターさんへのインタビューは、WebサイトやYouTube動画で公開されています。

最近、私が気になったのは、富士そばを運営するダイタングループ代表取締役の丹有樹さんの動画です。
富士そばは私もよく利用しており、手軽に食事ができるうえに、蕎麦湯が飲めるのがお気に入りのポイントだったりします。

自身の半生や経営理念を語った動画はとても興味深いので、ぜひ見てみてください。

富士そばのことをより深く知りたいと思い、見つけたのが『「富士そば」は、なぜアルバイトにもボーナスを出すのか』(集英社新書)です。
丹有樹さんの父親であり、ダイタングループ創業者である丹道夫さんの半生と経営理念がつづられています。

創業者、丹道夫の語る経営理念

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そんな富士そばの創業者である丹道夫さんの経営理念をつづったのが本書です。

本書は「人を大切にすることが、結果として会社を強くする」という経営哲学を語った一冊です。
単なる富士そばの成功物語ではなく、人材育成・商売・経営者の役割を扱った経営論として読むことができます。

従業員を「コスト」ではなく、利益を生み出す存在として大切にする

本書を象徴するのが、タイトルにもなっている「アルバイトにもボーナスを出す」という制度です。
富士そばではアルバイトにもボーナスや有給休暇を用意し、社員にも成果に応じた報奨金などを設けています。

その根底にあるのは、従業員の待遇を削って利益を増やすのではなく、従業員が気持ちよく働ける環境をつくることで会社を成長させるという考え方です。

丹氏が経営者の重要な仕事として考えているのも、「どうすれば従業員の意欲が高まり、働きやすくなるのか」を考えること。

従業員を大切にすることは単なる福利厚生ではなく、定着や意欲、サービスの質を高め、最終的に会社の利益へと返ってくる「経営戦略」なのです。

人は管理するのではなく、任せて育てる

富士そばの特徴は、現場に比較的大きな裁量を持たせていることです。
人材についても、一律の基準だけで判断するのではなく、その人が力を発揮できる場所を探すことを重視します。

ある店舗では成果を出せなかった店長でも、別の店舗に異動すると活躍することがある。

つまり、「能力がない」と決めつけるのではなく、人と仕事・環境との相性を見ることが経営者の役割だと丹氏は考えます。

さらに富士そばには、失敗したアイデアや「ボツメニュー」まで評価する文化があります。

失敗を責め続けるのではなく、挑戦そのものを認めることで、従業員が自分で考えて行動できる組織をつくっているのです。

経営者の仕事は「自分が儲けること」ではなく、会社が長く続く仕組みをつくること

丹氏自身、順風満帆な経営者ではありません。
若い頃からさまざまな仕事を経験し、何度も上京と挫折を繰り返した末に、立ち食いそば店の経営にたどり着きました。

その経験から生まれたのが、短期的な利益だけを追わない経営です。

商売では価格、立地、顧客層など、現実的な数字を徹底して見る。
一方で、人材については目先の人件費削減だけで判断しない。

この「商売にはシビア、人には寛容」というバランスが富士そばの特徴です。

言葉ではなく、形と行動で示す「人を大切にするということ」

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『「富士そば」は、なぜアルバイトにもボーナスを出すのか』を読んで特に印象に残ったのは、感謝や「人を大切にする」という思いを、言葉だけではなく形と行動で示すということです。

「ありがとう」と感謝の言葉を口に出すことは、もちろん大切です。

しかし、従業員にはそれぞれの生活があり、それは言葉だけで支えられるものではありません。
富士そばは、それを待遇や制度という形にして示すことで、多くの人に親しまれる外食チェーンへと成長しました。

これは、人と人とのつながりや日々の仕事にも通じる考え方です。

ちょっとした贈り物をする。
相手の利益も考えた取引条件を設定する。

どれも大切だけれど、忘れがちなことかもしれません。

『「富士そば」は、なぜアルバイトにもボーナスを出すのか』から学んだ、**「思いを行動にすること」**を、私自身も実践していきたいと思います。

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