世界屈指の仕事人ゴルゴ13
(引用:Amazon 究極のビジネスマン ゴルゴ13の仕事術)
社会人となり数年も仕事を続けると、業務の内容や流れを覚え作業の質も向上してくると思います。そのなかで仕事の質をあげていきたい、仕事への意識や基準を上げていきたいと思い始める人も多いはず。
ここはひとつ「プロ意識」を念頭に置いてはいかがでしょう。どんな分野、業務であれその道のプロであることを意識することは、ビジネスマンとして成長のきっかけになるでしょう。
また会社からお金をもらう以上、責任をもって最後まで業務を行うことは最低限の仕事といえます。
仕事の基準や技術は最高のプロに学ぶのが一番です。では、世界最高のプロとは誰かと言うと、『ゴルゴ13』こと『デューク・東郷』です。フリーのスナイパーにして各国の要人も顧客に抱える最高のプロフェッショナルです。
『ゴルゴ13』はさいとうたかを氏が描く架空の登場人物です。しかし、彼の作中でのプロとしての行動や信念は現実にも通ずるものがあり、ビジネスマンとしての姿勢を研究した著書も多数存在します。
スナイパーという無法な職業でありながら、大国の大統領からも信頼を寄せられるゴルゴ。それは卓越した狙撃技術だけではなく、どんな困難な状況でも、例え依頼人が亡き者となっても最後まで仕事を完遂することで勝ち得た評価に他なりません。漆田公一著の『究極のビジネスマン ゴルゴ13の仕事術』には最高のプロの流儀、「ゴルゴの法則」が紹介されています。この本で世界最高のプロの行動、信念を学びましょう。
最高のプロによる顧客との関係づくり
仕事には当然、相手となる依頼人・顧客がいます。ゴルゴ13の仕事は多くの依頼人を満足させるに足る技術を持っています。しかし、彼を最高のビジネスマンとするのは高いプロ意識にあります。ゴルゴへの依頼成立は、すなわち目標達成の確約に他なりません。
だからこそ、「ゴルゴの法則」による顧客の関係づくり、接し方は
”顧客(依頼人)とは二度会わない。会う必要がない”
引用:ゴルゴ13の仕事術―究極のビジネスマン (祥伝社黄金文庫)
漆田 公一 、 デューク東郷研究所 p19より
一度の接触でニーズの把握、交渉まですべてを完了しアフターフォローの必要がないほど完璧な仕事を行うゴルゴ。もちろん、現実のビジネスでは不可能なことでしょう。しかし、顧客の負担を減らし仕事を完遂する姿勢はビジネスマンが本来身に着けるべき素養です。
依頼の成立、イコール目的の達成と言えるまで仕事の基準を達成しているゴルゴ。
結果として営業活動、接待については
”接待は必要ない”
引用:ゴルゴ13の仕事術―究極のビジネスマン (祥伝社黄金文庫)
漆田 公一 、 デューク東郷研究所 p92より
仕事のパフォーマンスの高さですでにクライアントとの関係づくりを完遂し、信頼を構築できてしまうゴルゴ。仕事の基準をここまで上げるからこそ、真のプロフェッショナルと呼ばれるのかもしれません。
最高のプロによるチーム作り
仕事を行う上で仲間の存在は不可欠です。一匹狼と称されるゴルゴですが、依頼の内容に応じてパートナーを雇い入れることが少なくありません。ところが、ゴルゴに協力するのは高い技術を持ちながらも問題児となっている人物ばかり。上司に悪態をついてばかりの腫物扱いを受ける軍人、お酒で身を持ち崩した情報屋、引退し偏屈な年寄りとなったヘリの操縦士。
ゴルゴ13の仕事術では、パートナーに対しての「ゴルゴの法則」をこう表しています。
”能力のみで選ぶ”
引用:ゴルゴ13の仕事術―究極のビジネスマン (祥伝社黄金文庫)
漆田 公一 、 デューク東郷研究所 p123より
ゴルゴ13と仕事を行う人間に共通するのは、どんな問題児であってもゴルゴの下では力を十二分に発揮すること。また、どんな相手であってもあらゆる仕事の前にはあらゆる手段を使いパートナーと強固な信頼関係を作ることです。
さらに、社会人にとって大切な仕事のひとつが新人育成ですが、「ゴルゴの法則」はこのようになっています。
”教育しない”
引用:ゴルゴ13の仕事術―究極のビジネスマン (祥伝社黄金文庫)
漆田 公一 、 デューク東郷研究所 p182
『教育しない』放置を意味するのではなく、すでに相手を一人前のプロと考えて仕事を任せるのがゴルゴの仕事術です。
常に先輩や上司は新人によく観察されているもの。プロとしての規範を試されています。
自身が24時間、超一流の基準で仕事を遂行するゴルゴだからこそたんたんと事実を伝えるだけで教育が成り立ちます。
もちろん、現実ではそのような教育は成立しがたいでしょう。しかし、まずは教育を行う側が最高クラスのパフォーマンスを体得することのが必要であるとゴルゴの仕事ぶりから学べるでしょう。
最高のプロによるプライベート
普通のサラリーマンであれば休日は趣味に没頭したり、仕事の疲れを癒す時間になるかもせれません。作品本編では膨大な仕事量から時に「ワーカホリック」と言われるゴルゴにもプライベートな時間はあります。彼は余暇をどのように使っているか。答えは
”精神を鍛える”
引用:ゴルゴ13の仕事術―究極のビジネスマン (祥伝社黄金文庫)
漆田 公一 、 デューク東郷研究所 p207より
スナイパーとして最高の体力、技術を身に着けているゴルゴ。しかし、彼が超一流のプロたる所以はいかなる困難でも仕事を完遂するその不屈の精神力にあります。
だからこそ、体のトレーニングと共に精神の鍛練を怠らないのです。山奥で座禅を組むなど、気力の充実を図る余暇の過ごし方がゴルゴの精神力を支えています。
もちろん、資本となる体のメンテナンスにも余念はありません。
”金も時間も危険も惜しまない”
引用:ゴルゴ13の仕事術―究極のビジネスマン (祥伝社黄金文庫)
漆田 公一 、 デューク東郷研究所 p195より
これがゴルゴの健康法です。ゴルゴは作中、チャーターしたヨットに世界中から各分野の医者を集め歯の一本にも至るまで健康チェックを行う描写があります。徹底した自己管理は、すべて仕事において最高のパフォーマンスを発揮するために行われているのです。
現実の経営者、成功者ほど健康マニアであるといいます。それは責任を果たす人間、仕事で高いウクオリティを目指す人間ほどその根本に自身の体という資本があるからこそと考えているからです。
ゴルゴのプライベートは仕事でのクオリティを高めるために使われます。仕事を余暇を分けることが一般的となった昨今です。しかし、自分の生きる目標を仕事に見出すのであればプライベートで己を高める姿勢を忘れてはなりません。ゴルゴは、プライベートでも戦い続けているのです。
超A級のプロとなるために
この本の各章では「ゴルゴの法則」とともに、「秀才の法則」、「凡人の法則」そして「バカの法則」が記されています。秀才は世間一般で優秀と言われる人の基準、凡人は平均的な仕事に終始する人の基準、そしてバカはなぜ会社を首にならない!と首をかしげる人の仕事の基準です。
はたして自身の仕事の基準はどこに該当するでしょう。もし、不本意な「法則」に該当するなら、基準を高める努力をしましょう。
自身の基準を知り、一段上の意識へ改革する。ビジネスマンとして必要な素養です。
己を知り、プロの基準を知り、自分を高め続ける社会人でありたいですね。