年も開け、新社会人となる学生さんは内定通知を手に新しい生活に思いを馳せている人も多いでしょう。
履歴書を何通も送りながら、面接での受け答えを練習した日々は大変でありながらも充実した時間だったのではないでしょうか。
今回ご紹介する本『アツイコトバ』（ダイヤモンド社）の作者である杉村太氏は、株式会社ビジネスラボを設立し学生・社会人に向けてのコーチングサービスに取り組んできました。
著書『絶対内定』シリーズは就職活動を行う学生のバイブルとなっています。
杉村太郎氏は『アツイコトバ』のなかで、コーチングとは言葉のエネルギーでコーチと受講者が化学反応を起こす作業だと語っています。
2017年に癌により47歳の若さで生涯を閉じることになりますが、のべ30,000人を超える人間をコーチングしてきた杉村太郎氏の足跡は決して小さなものではありません。
そんな作者が本の中で語る言葉は、まさに魂の叫びです。
壁にぶつかったとき、膝を折って立ち上がれないとき、出会い勇気をくれるのが心に響く言葉だといいます。
私がアメリカに渡った際、周囲には決して応援してくれる人間ばかりではありませんでした。
そんなとき、この本の言葉ひとつひとつが勇気をくれたことを覚えています。
『アツイコトバ』から、人生を育む言葉の力を学びましょう。
コーチングのプロから学ぶ言霊
『アツイコトバ』の中には言霊という言葉が出てきます。
言霊とは太古よりコトバが持っているとされる神秘的なエネルギーのことを言います。
このブログでも言葉の大切さを説く本をご紹介してきました。
使うコトバの一つ一つが人の思考を作り、心を作っていくのだと言います。
だからこそ、良質な言葉や本との出会いは人生をより豊かにする可能性にあふれているのです。
杉村太郎氏は、かつて自身の父親から「とにかくまえに進め」という言葉を受け取りました。
人生の辛いときにはこの言葉を思い出し、進み続けてきたと言います。
その経験から言葉の力に気づいた杉村氏は、多くの人を導くコーチとなりました。
『アツイコトバ』に書かれている言葉のエッセンスを少しだけご紹介しましょう。
異端となれ
『人が滅多にしない経験をしろ、人が滅多にしていないようなレベルで』
（出典：アツイコトバ p10）
杉村太郎氏の会社では「誰もやっていないことしかしない」というルールがあります。
人がやらないことをやることは大変です。
ときには心無い人から後ろ指を刺されることもあるでしょう。
それでも、誰しもやらないことをやることには価値があります。
いつも背伸びをしながら、全身全霊で取り組む必要があるでしょう。
その経験が人間を育みます。
私もアメリカに渡る際に
「なにしにいくんだよ」
「死亡フラグだ」
という友人も多くいました。
渡米し滞在した場所はシアトル郊外の農村地帯。
メキシカンワーカーとともに朝から晩まで働きながら、仕事の合間に必死で英語を習得しました。
その時の経験がいまの力になっています。
人が選ばないような選択をしましょう。
反対意見がでるのは、それだけ進む人間のいない道を歩んでいる証拠です。
人が経験しないことを、あえて選びましょう。
可能性を見ろ
『「確率」ではなく、「可能性」にかけろ。』
（出典：アツイコトバ p12）
自分を信じるのではなく、確率論に目が行く人があまりにも多いでしょう。
どんなに可能性が高いことでも、自分で本当にやり遂げる気持ちがなければ達成は不可能。
逆に最後までやり抜く決意があれば多くのことは実現できます。
多くの人が選ばない道はチャンスと可能性の塊です。
同時に、可能性にかけて道を進むには不可欠な条件があります。
それは徹底的に現実を直視し、全力で取り組み、問題意識を持ち続け、直感を大切にすることです。
挑戦者にはよく
「現実を見ろ」
という言葉をぶつける人がいます。
本当に夢を実現する挑戦者こそ、現実を徹底的に受け止めているもの。
現実を直視した上で、これ以上ないほどの力をもって、脳みそが溶けるほど考え抜き、そして最後の最後は自分ができるという直感を発揮した人が成果を掴み取ることができます。
目の前のパーセンテージに一喜一憂せず、可能性を見たら全身全霊で取り組みましょう。
先払いが成功を作る
『何かを得たければ、自分から出すことだ。』
（出典：アツイコトバ p18）
成果を掴む人は先払いの人です。
先に努力をするからこそ、結果を出すことができるのです。
資格などは試験に合格した上で得られるものであっても、資格を受け取ってから試験を受けることはありません。
大きな成果を得るためには、必ず自分が先払いをしたさきにこそあるものです。
成功するためには何を先払いするべきもの、それは責任です。
まず自分が矢面に立つという決意のもとで挑戦しましょう。
責任を負い、行動する人にこそおおきな結果が伴います。
仕事などで成果を得たければ、積極的にリーダーシップを取りましょう。
きっと成長と成果が帰ってくるでしょう。
人は誰しも恵まれている
いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介したものの他にも『アツイコトバ』には心に火をつける言葉がたくさん収録されています。
いま、この瞬間に生きている人たちは『誰しも恵まれている』と杉村太郎さんは言います。
これから年齢を重ねて、より人生をワクワクするものに変えていく力が言葉にはあります。
冒頭でも述べたように作者である杉村太郎氏は47歳でお亡くなりになりました。
しかし、その間に多くの人に影響を与え、著書を通して自身の足跡を文字に残しました。
その根底にあったのはやはり言葉の力だったのかもしれません。
世の中を見渡すと、ネガティブなニュースや情報で溢れています。
そんな中で生きていると、知らず知らずのうちに考え方や行動が小さくなりがちです。
だからこそ、良質でポジティブな言葉に触れ続け、自分を磨いていきましょう。
そして、『アツイコトバ』の内容を実践してみましょう。
きっとその瞬間から、自身の成長ははじまります。
鏡を見ながら言い聞かせましょう。
「自分にならできる！」と。
