これまでもコミュニケーションについての本はいくつか取り上げていますが、今回紹介するのは寺田有希さんの『対峙力』です。
Amazon.co.jp: 対峙力 誰にでも堂々と振る舞えるコミュニケーション術 : 寺田 有希: Japanese Books より
対峙力、どういうコミュニケーション力なのか、ピンときますか?
私は正直、きませんでした。そもそも「対峙」という言葉の意味すらよく分かっていませんでした。
ですが、実際に読むと、そういうことか、これは実践できる、という内容が多く書かれていました。
そもそも「対峙力」とは
寺田さんは本の冒頭で、「対峙力とは相手を認め、自分のことも認めてもらって話すこと。」と述べています。そもそも「対峙」ということ言葉には、2つの「同等の勢力」が向かい合って立っている、という意味があります。
ポイントは「同等の勢力」だと思いました。
コミュニケーションの場での同等は何を指しているかというと、それは「自分」と「相手」です。
この2つが同等であるために大事なことは、「自分と向き合うこと」、そして「相手に興味を持つ」こと。
寺田さんは、このことに、仕事の経験から気づき学び、磨いてきたそうです。
寺田有希さんのご紹介
本を書いている現在は「いつ、誰と話すことになっても大丈夫」と自信持っているようですが、元々の寺田さんは「人目ばかり気にする小心者で、人見知り」だったそうです。
寺田さんの肩書きを見ると、ベンチャー女優・タレント・司会とあります。
2004年に芸能界デビュー。女優・タレント・グラビアアイドルなどで活躍し、2012年には芸能事務所との専属契約を終了して独立。
寺田さんが圧倒的に有名になったきっかけは、YouTubeチャンネル「ホリエモンチャンネル」での堀江貴文さんによるアシスタントMCの抜擢です。
その後、他にも多岐に渡って活躍され、自ら作詞作曲した、ストリートラグビー公式応援ソングで、アーティストとしてメジャーデビューも果たしていらっしゃいます。
本の中でも寺田さんのターニングポイント的な存在、堀江貴文さんとのエピソードはとても多く書かれていました。
誰にでも堂々と振る舞うポイント
ここからは寺田さんの実体験の中で私も読んで特に共感した、「自分」と「相手」が同等に向かい合えるようになったポイントを紹介していきます。
①評価されたいと思った時点で、仕事に本気になれていない
何を伝えたいかというと、自分の役割に集中していれば、評価は気にならなくなる、ということです。
人はどうしても、失敗したくない、嫌われたらどうしよう、評価されたい、と思う生き物です。
ですが、その思いで頭の中がいっぱいになると、なぜか緊張したり、不安になったり、また、空回りして結局上手くいかない、ということがありますよね。
寺田さん自身も、事務所に所属していた時、仕事中に気にしていたことは「評価」ばかりだったそうです。
役者であれば、本来は自分の役に集中して、共演者の演技を受けて、いい芝居をすることが大切なこと。ですが、「評価」ばかり気にしていた時は、自分の芝居と共演者を意識するどころか、芝居をしているとはいえないくらいに、近くで見ている監督に意識が向いていたそうです。
結果、監督も評価してくれる訳もなく、事務所もクビになったとのこと。
その時、評価ばかり気にして、目の前の仕事に本気になれていなかった、ということに気づいたそうです。
②尊敬される人ほど、人を尊敬している
寺田さんは仕事のあらゆる失敗や悔しい思いを経て、誰にでも堂々と振る舞えるようになったのですが、それは「相手」に対しての見方を通して、「自分」の弱点の捉え方が変わったからだそうです。
本の中でそれを、「自分の弱点を受け入れて、相手のいいところを尊敬して学んだほうが物事はうまくいくし、人生は豊かになるんです」と書かれています。
弱点に気づいたら意識した方がいいこととして、ひとつは「弱点を認める」こと。
自分の弱点を認めていない時は、相手の弱点を探して、自分の中で「自分はすごい人」とバランスを取っていたそうです。
弱点があること自体は悪いことではないとのことなので、まずは素直に自分の弱点を受け入れることが大切なのですね。
弱点に気づいたら意識した方がいいことのふたつめは、「周りに助けを求める」こと。
これがすごい人とのGAPだったそうです。
自分の弱点を乗り越えるために、誰かの力を借りている人が成功者となっていることに気づき、そこから自分に足りない力を持っている相手を、素直に尊敬できるようになったのだそう。
自分のことを受け入れて、相手を素直に尊敬し学ぶことが、誰にでも堂々と振る舞えるポイントのひとつだったんですね。
今すぐ実践して「対峙力」を身につけよう
このように、寺田さんの『対峙力』には、ご本人の失敗含む経験談からの気づき・学びがたくさん書かれています。
こういう場面で、こんなすごい人と自分とのGAPに気づき、こう変えてきた、ということがかなり具体的に紹介されているので、私自身の実体験と重なることもあり、共感しやすかったです。
ご自身の実体験と重ねながら、寺田さんの武器が詰まったこちらの本から学んで実践して、対峙力という最強のコミュニケーション力を身につけていけたら最高ですね。