大きな結果を創りたいものにとって、チームは不可欠。
そしてチームリーダーは、個人としてだけでなくチームとして最高の結果をだすことを求められます。
デール・カーネギー著の「人を動かす」はチームリーダーであれば、まず読んでおきたい1冊といっても過言ではありません。
チーム1人ひとりのパフォーマンスを最大限引き出すことで、全体で最高の結果をだすことができるのではないでしょうか。
ここでは彼の生い立ち、そして人を動かす原理原則を、「人を動かす三原則」、「人に好かれる六原則」、「人を説得する十二原則」、「人を変える九原則」のなかからいくつか紹介します。
多種多様な職種を経験して人間関係の先覚者・カーネギーの生い立ち
デール・カーネギーはアメリカの貧しい農村家庭に生まれました。
引用:『人を動かす』より
大学を卒業後、雑誌記者、俳優、販売員など多種多様の職種を転々としていったそうです。そして念願だったYMCA(キリスト教青年会)の弁論術担当講師(現代でいう研修やセミナー講師)となり、次第に人気講師として知られるようになります。
やがてD.カーネギー研究所を設立し、アメリカにおける成人教育、人間関係研究所の先覚者として各国で指導をしていきます。
先覚者に至るまで経験してきた世の辛酸、社会の裏表を研究し、人間性の秘密を探り当てた。
ビジネススキルやコミュニケーションスキルにおいて多大なる成果をおさめた彼は、多くの著書を出版しています。
中でも代表作の「人を動かす」は、デール・カーネギーが長年かけて収集した実体験や著名人の実例をもとに、人をやる気にする方法や人づきあいにおいて必要なこと、心がけておくべきこと、決してしてはいけないことなどが分かりやすく記載されています。説得力があり、ビジネスシーンのみならず家庭や学校でも、あらゆる人間関係で役立つスキルが記されており、まさに誰にでも取り入れやすい内容です。
1936年に出版された本書。日本でも累計発行部数500万部を突破するくらい世の中でもっとも読まれている1冊です。
参考:図書出版 創元社 人を動かす 文庫版 著:D・カーネギー 著 / 山口 博 訳
人は「自分が悪いことをした」とは全然思っていないことを理解する
人は、自分が間違っていても自分が悪いとは思いたくない性質をしているそうです。
本書では、極悪人を例にあげて説明しています。
どんなに第三者からみて間違ってる行動をとっていても、本人は正当化しようとする。
そこで、相手に非難、批判、そして苦情を伝えたとしても何も改善はしません。
まずは、相手を理解し自分の感情を冷静に伝えてるとカーネギーは説いています。
身近でわたしが経験した話です。
友人が待ち合わせの時間に1時間も遅刻してきた。
少しも悪びれない友人に対して遅刻してきた理由を聞くと、返事が返ってきた。
「寝坊して急いだら駅に向かう途中に忘れ物をしたことを気づき取り返った。そして電車のなかでは携帯を見ていなかったので気が付かなかった。」
この友人は、よく時間に遅刻するし、そして携帯をあまり見ない。
ここで怒ってしまったら、後の時間がギスギスしてしまいます。
喧嘩をせずに、相手に気づいてもらうには、こんな伝え方が良かったのかと思います。
「約束した時に間に合わないと一言もないのは悲しい。何か起こったのでは?と心配すると思うけどどう思う?」
自分の感情を伝えて、相手を否定をしない。これをつたえたら「ごめんなさい」と一言謝ってくれました。
相手が何か理由があってしたことです。
よく理解してあげてお互いの改善策を提案していくことが大事だと思いました。
「ほめる」ことで相手の「自己重要感」をみたす
カーネギーは、人の欲求の代表として、8つあげています。そのなかでも相手の「自己の重要感」を満たすことでその人に自信がつき、行動につながるようです。
’’1健康と長寿
引用:「人を動かす」の人を動かす三原則
2食物
3睡眠
4金銭および金銭によって買えるもの
5来世の生命
6性欲の満足
7子孫の繁栄
8自己の重要感’’
ここでひとつ実例があります。
年俸100万ドル以上の給料を得ている数少ない実業家のひとりに、チャールズ・シュワッブがいました。
スチール社設立時に、「鋼鉄王」と称されたアンドルー・カーネギーが社長として迎え入れた人物です。
このシュワッブには、年収100万ドル(日給3000ドル以上)を支払っていた。
理由は、「人をあつかう名人」だからだとシュワッブ自身がいっています。
他人の長所を伸ばす方法は、「ほめること」、「励ますこと」と断言してます。
参考:『人を動かす』より
人は「ほめてくれる」「励ましてくれる」「自分を信頼してくれている」と信頼を置きます。
アンドルー・カーネギーのように大きく長く会社を勝たせていくためにはとても大事なことなんですね。
人を動かす唯一の方法は「みずから動きたくなる気持ちを起こさせる」
人が動く唯一の方法は、「みずから動きたくなる気持ちを起こさせる」をしてあげること。
引用:『人を動かす』より
相手のほしがっているものを与えることが大事。
人を動かす唯一の方法は、その人の好むものを問題にし、それを手に入れる方法を教えてやることだ。
確かに、「楽しそうなこと」「自分が興味あること」を教えてもらうとどうやるのか、またどこでできるか聞きたくなります。
そして、逆にしてはいけないのは「批判、非難、苦情」です。「相手の欲しがってるもの」を見つけるには、まず相手の立場に立つことが大事。
例えば、私の好物はチョコレートです。しかし、魚を釣りたい場合、チョコレートを餌にしません。魚の好きそうなミミズなど虫を餌にします。人も一緒です。
相手が、どんなモノを欲しがっているかを見つけること。
相手の好むものを問題にし、それを手に入れる方法を教えてあげることがとても重要なことだとカーネギーは唱えています。
結果を出すなら人から好かれることが大事
最後に、デール・カーネギーの原理原則を感じたことをお話します。
「理解する」、「自己重要感をみたす」、「みずから動きたくなる気持ちを起こさせる」は、みずから相手を好きになり、欲していることを注意深く知る努力をしていくことが大事。
一つひとつ意識して、人と関わっていけば次第にチームの中でも外でも好かれ、信頼され、相手があなたの味方になり、協力してくれるようになります。
相手から好かれないと何も始まりません。まずは、この本を何度も読み返して、自分が周りに対してできることを見つけて動いていけば仕事でも日常でもいい結果がもたらされるのではないでしょか。